友人から贈られたジャック・ウェルチ(元GEのCEO)の英語本を読み始めて

数年前に、友人からジャック・ウェルチについて書かれた英語の本を頂いた。日本語に翻訳された本も出版されていたが、友人は敢えて私に英語で書かれた原本をNYのお土産として持ってきたのである。彼の真意は、もう少し英語を勉強した方が良いと言う暗示と経営者として素晴らしい事が書かれているので私の成長を促すためと思われた。然し、当時の私は英語で読む苦労を嫌がり、そのまま書棚に積んでおいたのである。それが書棚を整理する必要が有ったので思い切って読み出したのである。勿論、私の英語力なので遅々として進まないが、読み始めて後悔したのは友人から贈られた時点で読んでればと言うことであった。日本の多くの人達はジャックの本を読んで感化されたと思われたが、読んで参考にしたのはメーカーに勤務する人達であり、金融や不動産の業種の人達には余り読まれなかったのであろうと思った。日本人は特にコンサバティブな考え方をする人が多く、人事もリスクテーキングを取らないために学力偏重主義で人材を採用するので、GEでジャック・ウェルチが行なったことは出来難いとは実感された。しかし、当社の様な小企業に取っては常に変わらなければ事業継続してゆく事は難しい状況に置かれているので、「現場が最も良いアイデアを提案する」などの言葉は生きてくるし、"バウンダリーレス"や"コアバリュー"の考え方は大いに参考になった。未だ読みはじめて読了するには未だ大分時間を要するが、改めてジャック・ウェルチの本を贈ってくれた友人に感謝する次第である。今回の金融危機後の大不況を乗り切るバイブルと言っても良い本である。

民主党政権の来年の参議院選に向けた脱自民政策の独自色が及ぼす悪影響

民主党政権は急ピッチで来年の参議院選に向け脱自民の独自色を打ち出そうとしているが、此れまでの動きを見ていると自民党が進めてきた構造改革に伴う民間人重視と同じ誤りを繰り返すのではないかと危惧される。自民党時代にも独立行政法人の理事長を民間から登用するなどの改革を進めて来たが、民間企業で過ごしてきた古巣の会社との癒着が断ち切れず、マイナス面も相当あった事に気づいていない。新聞報道によれば、独立行政法人に対する官僚の天下りは許さず今後は民間から公募によって後任者を決めたいとのことであるが、民間人に任せれば全て良くなると言う錯覚が問題である。天下りで問題になっているのは、多額の報酬を貰い短期間で数箇所を渡り歩く一部の高級官僚に関してであるので、何も官僚の天下り自体が悪いわけではない。民間会社を経てきた人物は官僚より利権に目ざといし、仲間同士の癒着がもたらすマイナス面は官僚の比ではない。日本航空(JAL)の再建委員に選ばれた委員の中にも倒産に到った会社の不透明な増資に関わった者や再建出来なかった会社に投資してたファンドのスタッフであった者も選ばれているなど、民主党政権を取り巻く民間人の信頼性に疑問を持たざるを得ない。尤も、小泉政権の時も同様だが、民間人で清廉潔癖な者は国家権力などに近づかないので残念ながら仕方ないのかもしれない。然し、民間人を公募するに際しては少なくても一定期間の間候補者を公告をし、他者から非難が出なかった人物を選ぶべきである。自民党政権の様に国民の目を逸らした人物の起用だけは御免蒙りたい。

エレベーターの事故と認証コストの問題点

エレベーターの事故が多いと言うことで行政が新型エレベーターに対して機能強化を義務付けたが、この機能強化の認証を受けるには多額の費用が掛かるとの事である。エレベーターの事故が最近話題になってきたが、エレベーターは新しい設備でなはない。何故最近事故が起きるのかは保守サービースのコストを削減した事が主たる原因であり、特に設備機器に問題がある訳ではないと考えられる。ところが、行政側は消費者保護かどうか知らないが、必要以上の性能をエレベーターに持たせることにし、その性能検査を当世風の民間委託としたのである。現行のエレベーターに不都合があるとは思えないのに保守サービスのコスト削減を設備機能の向上に転化させた遣り方は中小企業のエレベーター会社を狙い撃ちにした政策であり、昨今見られる全ての強化策が大企業に販売などを集約させる中小企業つぶしと言わざるを得ない。然も、天下り先に認証サービス権限を持たせる一石二丁の知能犯である。政治家も天下り先が補助金を出している所ばかりでなく、不必要な規制強化に伴う権限委譲先にもあることを認識する必要が有る。この様な事例は枚挙に暇がない。

予算書を読めない議員など必要ない

民主党政権になって漸く一般会計と特別会計の事がメディアを通して国民の前に現れてきた。意外と知られていなかった特別会計だが、この予算が諸悪の根源と言っても良く、この予算改革なくして消費税アップの議論はありえない。大分古い話で恐縮だが、勤務会社の命令で中央官庁の予算書を貰いに言った時に、省庁の予算以外に各部局毎で作成された予算があり、その予算書には「一般」の他に丸印の中に「特」、「抽」と書かれたものがあり、不思議に思ったので担当者に質問したら軽くいなされた記憶がある。しかし、執拗に質問したら予算書に関して良く勉強していると評価され、更に詳細な予算書を貰えたのである。その時の担当者にはこの他にも有るのだが渡しても理解できないと思うのでこの予算書レベルで良いのでは言われ、この予算は通常は外部に出さないが貴方はよく勉強をしているので差し上げるのですと褒められた。そして議員などは予算のことなど全然分かっていないと罵倒していたのである。この他、東京都庁のある部署にやはり予算書を貰いに言った時の話だが、貰えた予算の他に丁寧に図で説明した予算書が置かれていたので、その予算書を欲しいと言ったら、この予算書は議会に提出する物だから議会が始まる前には出せないと断られた。その時に、私が担当者に丁寧に説明した予算書を評価したら、その担当者は「議員は小学生の様に説明しないと分からないのだ」と馬鹿にした様な言い方をしたのが印象的であった。更に、この様な予算書を作る費用と手間が無駄と言ったのである。その時に、議員と言う存在は役人に馬鹿にされている程勉強していないのだと理解し呆れたのであった。多分、今日でも一部の議員を除けば大半の議員は予算の中味を理解していないと思われる。然し、勉強すれば予算の仕組みなどは分かるし、役人は理解のレベルに合わして詳細な予算書を出すことが分かれば特別会計の仕組みが複雑で分からないなどとは言えないのである。前原国土交通省大臣が空港整備特別会計に言及していたので、付け焼刃でない予算知識で予算の無駄をなくして欲しいと思うのだが、今後はお手並みを拝見したい。

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