非科学的な現象を全て否定できるか!
六本木ヒルズの高層建物が福島原発の事故による電力不足で節電を強いられる中でガス発電システムのコジェネレーションで評価を受けている。建築した森ビルとしては竣工後に起きた色々な事故の忌まわしい記憶を払拭するのには好都合と思われる。しかし、建物造りを長く行なってきた当社としては、六本木ヒルズの事故などはお祓いでもしないと拭えない嫌な事件である。六本木ヒルズの建設地は土地履歴的には、大名屋敷や寺社があった場所であり、因縁話をすれば、江戸時代の忠臣蔵で有名な赤穂浪士達が死罪を受けた毛利藩邸があった場所でもある。不動産・建築の仕事を行なってくると、多くの非科学的な現象に遭遇し、因縁話を簡単に切り捨てられない経験をする。特に、土地に纏わる話は時系列的に言い伝えられるので良く記憶に残る。私が子供の頃に曾祖母や祖母に聞かされた土地の話としては、所有するのを嫌う土地の存在があった。所有を嫌う土地とは、そこを所有すると何代目かで血族が途絶えるということである。六本木ヒルズの場合、考えられない回転ドアの事故で子供が亡くなったことであり、エレベーターの事故、高層階のレストランの火災など竣工後に多く起きた。又、入居テナントの破綻が異常に多く、縁起を担いだテナントは退出している。六本木ヒルズは敷地内に高層マンション等も建っており、その内の1棟で芸能人が引き起こした女性の薬物死も話題になった。身近なところでは、私が管理しているビルにテナントとして入居していたことがある飲食店の社長がヒルズのマンションに住んでいたのだが、これ又経営破綻してしまった。勿論、大きな敷地に大高層ビルと高層マンションが林立して利用者も多いので、確率論から言えば、根拠がある事件の発生なのかもしれないが、何も起きない縁起の良い建物もあるので、確率論では割り切れない思いが残るのも事実である。私自身は若い頃は無神論者であったが、祖母の危篤で帰郷中の出来事などからこの世には科学では解明できない現象があることを理解した。人や会社によっては悪霊などに負けない強さがあると思われるので一概には言えないが、私自身は因縁の土地や建物は敬遠したいと考えている。運気を逃す原因にもなるからである。
東北太平洋大地震による津波の過去との比較の間違い
東北太平洋大地震による津波に関して多くの識者は過去との比較を論じているが、この議論では比較データに関して前提条件が抜けている。明治時代の三陸沖の大津波は38m規模であることが地層や崖に残されていた標しで判明しているらしいが、冷静に考えれば明治三陸沖地震から100年以上経過し、この月日の中で強固な防波堤や防潮堤などが造られているのである。今回の大津波には役に立たなかったと言われているが、少なくてもその防波堤や防潮堤があったから今回の被害で済んだとの考え方も出来るのである。その様に考えると、今回の大津波は過去に例がない規模と推定され、近年世界中で起きている災害の大型化と相関する。数年前に米国のフロリダを襲ったハリケーン「カトリーナ」の事を思い出す。このハリケーンは史上最大規模といわれ、ニューオーリンズの大堤防が決壊して大きな被害となった。災害の大型化は温暖化現象によるとの説もあるが、現状では解明されていないのが現実だ。太陽の活動が活発化している影響もあると推定されるが、太陽の活動は周期的なものであるので災害の大型化の原因とするには説得力が弱いと思われる。しかし、間違いなく災害の大規模化は世界中で起きている現象なので、東北の復興計画に対するインフラ復旧に関しても単なる過去の比較と今回の津波の大きさだけで結論付けて行なうのは間違いとは言わないが、配慮が足りないように思われる。況して、財政難が前面に出され、予算ありきから復興計画を立案したのではお金の無駄使いとなる可能性が高い。人類が誕生して1万年、その内科学が発達して森羅万象を解明してきた時間は2千年前後だ。人類誕生以前に滅亡した恐竜の時代もあるが、その滅亡に対する明確な科学的な答えは推定の域を出ていない。話題が飛躍しすぎてSF的な内容になってしまったが、結論から言えば、今回の大津波は過去との比較で論じる以上の規模の大きさであり、この現象は世界的な災害の大型化と相関している恐れがあるので、少なくても復興計画には地球規模の大異変も頭の隅に置いて欲しいと言うことである。日本列島が今回の大地震を機に変動の時代を迎えたならばエネルギーの確保には従来の発想では役に立たなくなる可能性もあり、近代化による社会システムの普及も考え方を改める必要が出てくる。杞憂になって欲しいが、地球が何らかの活動期に入り今後とも大災害が起きると仮定すれば、多くのインフラの大規模化と集中は危機管理に対してはマイナス要因になる。豊かさの追求から生存可能なインフラが必要となると考えれば、少なくてもローカルの強化による東北復興が今後の指針といえそうだ。