トランプ大統領候補が銃撃から間一髪で逃れたので何かの天命があるかと思ったが、その後にバイデン大統領が選挙から撤退してハリス副大統領が大統領選挙の民主党候補者になることが確実視されてから深く考えると、歴史的な役割を担ってるのは共和党の副大統領候補になったバンスかもしれないと考えを改めた。トランプを生かしたのはバンスが副大統領に成り、将来的に選挙かトランプの途中退場で大統領に成るシナリオかもと考え持つに到った。バンスはアメリカンドリームを実践した人物だ。貧しい人達が目指す道である高校を卒業して軍隊(海兵隊)に入り、退役後に奨学金を得て大学に行き、更に有名大学のイエール大学法科大学院に入り弁護士となった。その後に、自伝的な小説とも言えるヒルベリー・エレジーを出版しベストセラーとなった。その後は投資家となり活躍しているのだが、イラク戦争を経験し、トランプ以上に独裁的な資質の持ち主と言える。トランプは口だけで実際は余り過激なことは行っていないことが前の大統領の経験から見なされているが、バンスがトランプ後の米国大統領になった場合には違った世界が見える。米国の中国に対する姿勢は中国と言う仮想敵を作って国内に再度生産工場を復活させる意志があると思われる。伝統的に米国は大陸派と沿海派に分かれるが、中国を仮想敵と見做す限りは日本は防衛最前線の国家として米国から支援される。しかし、バンスは海兵隊出身なので沿海派と言えるが下士官であったので、その影響はあまり受けていないと推定されるので、IT起業家からの支援を受けているのを見ると大陸派になる可能性も否定できない。気が早い話しだが、バンスが大統領になった時の米国は日本にとって必ずしも歓迎すべき大統領ではないかもしれない。もっとも、民主党のハリスが大統領になった場合には、米国から色々な改革が強要させられる可能性もあり、歓迎すべき大統領ではないかもしれない。しかし、米国の大統領以上に問題なのは日本が目下、次の首相に誰がなるかの問題に翻弄されて世界的な動きについて行っていない状況が危惧されている。スポーツの世界では海外コンプレックスを克服した選手たちが活躍しているが、政治の世界は未だ井戸の中の蛙なので困ったことだ。
トランプ米国大統領候補に対する狙撃事件が意味するもの
歴史は些細な事で大事件に繋がることがある。第一次世界大戦はオーストリアの皇太子の暗殺事件から勃発したが、事件の経緯を書いた過去の書物を読んだ時に偶然を超えた何かしらの力が働いたとしか思えないことに衝撃を受けた。今回のトランプ大統領候補は間一髪で難を逃れたが、それは原稿を見るために顔を動かしたことであった。真実かどうかは不明だが、バイデン大統領がトランプ氏に電話かを掛けた時に顔を動かした理由を尋ねた所、原稿に目を向けたと答えたそうだ。バイデンの大統領選挙からの撤退は間違いなく、トランプ氏が狙撃事件で難を逃れたことに運命的なものを感じた為であると推定される。問題はトランプ氏が大統領に選出された時に世界がどの様に動くのかだと思われる。トランプ氏は間違いなく、グローバル経済を否定する人物だ。歴史は温暖化や人口増大など地球にマイナスに作用している問題は根底にはグローバル経済から発生しているのは間違いがない。トランプ氏に運命の女神がほほ笑んだとしたら、世界としては擬人的に言えばグローバル経済を止める意思表示と言える。米国は伝統的に建国以来アジア重視であり、大陸派と沿海派に分かれている。米中対立が続く限り日本は米国に取っては戦略上重要な国となる。第二次世界大戦後の世界では米国は常にロシア(旧ソ連)と中国の乖離を画策してきたが、ソ連崩壊後のロシアと経済成長率著しい中国に対してはグローバル経済に組み込んだ両国を脅威と見做さないできた。現在はそのことが仇になってロシアと中国が接近しているので、米国にとっては世界をコントロールする上で過去のの脅威が蘇っている。バイデン大統領は両国を敵に回したが、トランプ氏が大統領に成れば、ロシアを囲い込んで中国を孤立化させる伝統的な戦略に戻ると推定される。米国を長期的に考えるとトランプ大統領候補の副大統領候補になったバンス氏の存在だ。面白いことにバンス氏を支援しているのはIT企業の起業家である。バンス氏の書いた著作「ヒルビリー・エレジー」も読んだが、正にグローバル経済を批判したもので自伝的な本だ。海兵隊に入ってから人生を変えた典型的な事例と思われる。最終学歴はイェール大学ロースクールなので、出版で得た資本を本にベンチャーキャピタルとしての活動がIT起業家の支援を得られているので、IT起業家の人達特有の独善的なものを持っていると思料される。トランプ後の大統領候補に出て来ることは確かですので、独裁色を強める政治家になる可能性があり、世界的には民主国家が後退する可能性がある。今後の世界を考える上で平和か戦争かと見れば、各地で紛争が起きる可能性が高いかもしれない。何れにしても世界はグローバル経済を阻止する動きになる事は間違いがないし、バンス時代になれば米国は強権国家になるかもしれない。ここに中国とインドが覇権国家として存在してくる可能性があり、日本は難しい選択を迫られると思われる。
都知事選前後の報道で分かったメディアの衰退と期待できる技術
都知事選前後に異常なくらいにメディアの寵児になった中身のない石丸伸二氏と民主主義の選挙を変えるかもしれない双方向のgithubによる政策提案を行った安野貴博氏に対するメディアの取り上げ方を見てメディアの今後の衰退を見る思いがした。メディアから泡沫候補とされた安野貴博氏はそれでも5位に入ったのが都民の救いになった。選挙に出る場合の注目度は過去に選挙に関わったかどうかで取り扱いが違うのだろう。メディア自体が社会に変革を要求しているのに自分たちの世界は変えない姿勢と言う冴えない話だ。安野氏の経歴を見た場合に彼が都知事選に何故出たのかに興味を持たなかったのかと不思議だ。メディアの政治部に所属すると未来が見えなくなる部門なのだろう。政治部が古色蒼然としていたのでは最先端の技術を駆使している候補に目が行く訳がない。それにしても安野氏とは面白い人物である。正に実務の人と言っても過言ではない。一方の石丸氏は金融機関に身を置き米国に行ったが学んできたのは中身がなくてSNSを使えば大統領に成れると言う間違った経験だ。トランプ前大統領はビジネスマンとして多くのプロジェクトを行ってきた実務家だ。単に中身がなくてSNSで寵児になった人物ではない。石丸氏が大学卒業後に選択した金融マンの職業が事業とは程遠い仕事であることが中身のない人物に仕上げたので、早く間違いに気が付かないと年齢的に手遅れになる。それにしても安野氏は大手のコンサル会社に入ったので、事業に対する取り組み方を習ったのだろう。事業の立ち上げのセンスには驚くほかない。多才なうえに学ぶ姿勢もあるので、今後の成長が期待できる。都知事選に出たのは未来の民主主義の有り方を探るものであったならば政策の発表の場を双方向のWEBにおいて選挙民に政治能力や政策能力を見極める場を早く作ってもらいたい。議会を通してのものは泥棒に番をさせるものなので、政治家になる為にはそのシステムを使わないと当選できない様にして政治から政治屋を一掃させてほしい。もっとも、AIに答えさせる偽物も出現するかもしれないので、それを防ぐ技術も必要だ。
政治家の素質とは
東京都の都知事選挙で前広島県安芸高田市市長の石丸伸二氏が予想外の2位になり耳目を集めているが、同時期に石丸氏が辞職して行われた安芸高田市長選挙も行われ、石丸氏の後継候補が敗れた。石丸氏の安芸高田市長時代の市議会との一方的な対立を見る限り、間違っても都知事にならせる人でなかった人物であることが分かる。自治体の長になり首長として選挙民の為になる人物とは如何なる者かが偶然に仕事の関係で訪れた茨城県猿島郡境町でお会いした人物で知ることになった。その人物とは境町町長の橋本正裕氏である。橋本町長は大学卒業後に市職員として働き、更に市議会議員として活躍し、その後に町長になった人だ。35才に町議会議長になり、全国最年少の市町村議会議長であった。実は私の父親は50年以上前になるが39歳で村議会議長になり、全国市町村議会の最年少議長であったので、それより4歳以上も若くして議長になったのは出色と思われる。議長職は政治家として有能なのは当然だが、一般的には当選回数を重ねた長老議員が就くものだ。父も当選2回の任期中に議長になったので、当時としては際立って若く、他の議長は父の親世代が多かったことを聞いた記憶がある。父の話だと議長仲間は殆んどが市町村長、県議会議員、国会議員になったそうだ。父は保守的な茨城県で敢えて革新の道を歩み、選挙民にお願いしますとは言わない政治家であったので、県議会議員の選挙で敗れてからは若くして政治を引退した。父は母に対し自分の金を使って選挙し、地域を良くするのに何で頭を下げるんだと怒鳴っていた。母はからすれば頭を下げれば票が入るのにと思っていたのだが、父は頑として母の言葉を受け入れなかった。子供の時には私も母の考えと同じだったが、父の年齢以上の年となった今では父のことを理解できる。話が横に逸れてしまったが、境町の橋本町長は町役場の職員を味方につけ、市議会も多数の支持者を持ち、更に有権者にも賛同を得て町の為に政策の実現を図っている。橋本町長の祖父が境町の町長に就いているので、町の発展を実現する政策を可能にする術を幼児の頃から学んでいるのかもしれない。それに比べて石丸氏は良い政策を打ち出せば簡単に賛同を得られると勘違いしている様だ。社会はそれほど単純ではないので、自分の思いを実現するには多くの人から賛同を得る必要がある。独りよがりではダメなのは私も自分の父から学んでいる。境町を視察して鉄道の駅を持たないのに平成の合併に加わらずに独自の政策で町を発展させている橋本町長を見ると明治維新を遂げて日本を近代国家にした人達と二重写しになる。我が故郷の茨城県にこの様な人物がいたかと感嘆した。なお、視察の同伴した会社の社外取締役の方に橋本町長が町長選挙で無投票にならないのが不思議と言ったら茨城県人だからだろうと答えた。この方は静岡県のご出身だが、茨城県人の気質を良く知っていると苦笑した。