浮利を追わず!

バブル経済が崩壊し平成大不況に陥っていた時に「浮利を追わず」と言う社訓が当社にあったのにバブルの流れに乗ってしまったと、当時の東洋信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)の方から聞いたのを思い出した。後年、この言葉は住友グループの営業理念にもある事を知り、関西出身企業の営業理念なのかと思ったものである。渦中にあって「浮利を追わず」が難しいのは今回のミニバブルからも言えるが、新興不動産会社各社のホームページを見るにつけ、グローバル経済の影響か「浮利を追わず」の様な過去の教訓を肝に銘じる言葉はない。然も、某上場企業の入社面接においては「お金に執着すること」の必要性を求められた事を聞いて驚いた事を思い出した。確かに、欧米流では稼げるだけ稼いで若くしてリタイアする事が夢であると言われる。今の日本も人材の流動化は進み、成果主義が浸透したため、「浮利を追わず」は死語になった感がある。新興不動産の会社は一様に成果主義を採用しているが、この成果主義は正に「浮利を追わず」とは相容れないものである。日本の政治も悪いが、成果主義を取り入れて「浮利を追った」会社が"しっぺ返し"を受けている。今回のミニバブルを乗り越えるにはこの反省なくしてはあり得ない。

 

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