国民に対する国家の振込み詐欺に加担したマスメディアの責任は重い

日本の構造改革と金融資本主義を混同させて必要以上の格差社会を作り出し、地方を疲弊させたマスメディアの責任は重い。小さな政府を実現するために金融資本主義を必要とする理論は間違いである。金融資本主義は、従来の企業利益の配当を労働者に多く還元してきたのを止めて株主に多く還元すべきだとの考えである。勿論、この株主に対する優遇は日本国内に眠っている多額の資金を投資に向けさせて会社の新規上場を促す事によって経済の活性化に繋げようとする理論である。いわゆる、資産の流動化を国家が企てマスメディアがそれを指示したのである。その金融資本主義が米国のサブプライム問題に端を発した金融危機によって脆くも破綻したのである。日本における金融資本主義とは、国富が失われる政策である。20年前から既に内需喚起による経済成長の必要性が指摘されていた訳だが、内需喚起の方法論において国家は大きな誤りを繰り返してきている。小さな政府と規制緩和は必要なことであるが、農業を犠牲にして輸出優先した様にグローバル経済の御旗のもとに格差社会を生み出し、地方経済を疲弊させて逆に景気の足を引っ張る様な政策を進めてきたのである。日本の経済の強さは国民の80%が中流意識を持つ消費力だったのに、金融資本主義を導入してその仕組みを壊してしまったのである。日本は江戸時代に内需方式の経済を行っているのである。何も外国に内需主体の経済構造を求める必要はないのである。江戸時時代には「御伊勢参り」が盛んであったが、これは内需喚起の最たるものであったのである。今回の金融危機にECの通貨統合が役に立たないのが分かり、又投資ファンドが資源・食糧の価格を急激に上昇させるなど多くのことを学んだのに未だグローバル経済や日本から更に国富が流失する似非改革をマスメディアは叫んでいる。国民に対する国家の振込み詐欺をマスメディアが支援しているのである。人生を間違わないで生きるにはマスメディアを信用せず、常に疑いを持って掛かることが必要である事を認識すべきである。古来より、書物を無批判に読むことは「百害あって一利なし」と言われている。マスメディアの情報が全部間違いとは言わないが、常に書かれた意図を考えて読む姿勢が国を良くする道と思える。

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