デフレ経済の対応

世界経済は否応なくデフレ経済の渦に巻き込まれるであろう事を予測するのは難しい判断ではない。日本は戦後インフレ経済を実感してきたためにデフレの怖さを忘れ、バブル経済後の失政に繋がった。日本経済も漸く長い資産デフレから立ち直りかけた矢先、米国発サブプライム問題で一転して世界経済の信用収縮の波を被ることになり、再度資産デフレに戻すような金融機関の融資規制によって先行きが不透明になって来ている。この様な状況では朝令暮改など状況によって判断を変え、逸早く手を打つことが損失を少なくする方法である。バブル経済崩壊後に嫌と言うほど経験させられた事である。特に、今度のデフレは先進国を含めた多くの地域で起きるデフレ現象であるので更に強烈と思われる。来年1月20日の米国のオバマ大統領就任後に打ち出す経済政策が世界経済の行方を示す羅針盤になることは間違いない。当社の毎年の年賀状で干支的に20世紀末から21世紀初頭に掛けては大転換期にあると指摘してきた。今年1月の年賀状では大きな経済変動の可能性を予測した。正に、当社の予測が的中したのだが手放しでは喜べない。多くの日本企業がサブプライム問題から起きる大きな経済変動に対して楽観視過ぎていたからである。これは今の経営者の大半が、バブル経済崩壊後にチャンスを貰った人達だけであったからである。その様な甘い経営者は本格的な嵐の前に続々と退陣することになろうが、ひとつ言える事は非常事態の経済下では非常事態の遣り方が必要であることと、決断の早い会社が生き残ることである。

 

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