車内で新聞を読むマナー

私が乗車した地下鉄車両の私の周囲で日経新聞を読んでいた乗客が3人居た。2人は男性で私の横で読んでいたのは若い女性であった。以前と違って車内で読んでいる新聞は圧倒的に日本経済新聞となった。現代の日本が如何に社会問題より経済問題の関心に比重が移ったかを証明している。勿論、日経のCMが効果を発揮している面も否定できないが、それ以上に私の若い時代には官庁や企業の御用新聞の位置づけであったのが今や一般紙以上にビジネスマンに読まれている光景は世の中がお金中心になった証であることを実感する。先の3人の内1人が横に座っている乗客の顔近くまで新聞を広げて読んでおり、然も詰めれば一人座れるスペースを占有していたために横の乗客から注意された。この様な光景は珍しいが、横の方は余ほど無神経に新聞を読んでいた男性に腹が立ったのであろうと推測された。注意された後にこの男性はスペースを空けたが新聞は相変わらず広げて読んでいた。少し時間を置いてからその男性は注意された乗客に何か言っていた。多分、「此れで良いでしょう」とか言ったのではないかと思われる。ちなみに、他の2人は新聞を四つ折りにして左右の乗客に迷惑を掛けないように読んでいた。注意された男性は40歳前後で身なりも顔付きも立派であり、勤務先の会社では能力が評価された者である様に窺い知れた。しかし、初歩的なマナーも身に着けてない姿を見ると頭は良いのであろうが育ちは良くないことが直ぐ分かった。この様な場面に出会う度に、私はお金持ちの息子に生まれたわけではないが、成長する過程で社会人として基本的なマナーを教えてくれた家族、教師、学校の先輩に感謝の念を改めて思う。

  • entry244ツイート
  • Google+

PageTop