オバマ大統領を苦しめているグリーンスパンの老害の大きな代償

全米で約20%の住宅の持ち主が住宅ローンに関して債務超過になっており、自己破産が簡単な米国では住宅を投げ出し、金融機関によるForeclosure(担保権の行使)が激増していることが報道されている。確か記憶では1980年代前半以前の米国の住宅ローンの比率は価格の20%程度であった。日本のインフレ経済を考えた価格の80%以上の住宅ローンの設定とは異なり、長いデフレ不況で苦しんだ米国人の堅実な知恵であったのかもしれない。それがITバブル経済崩壊後の景気対策でグリーンスパンが打ち出した住宅金融緩和によって米国に不動産バブルが起こり、誰もが過去に経験していないインフレに酔って上昇した住宅価格に対してクレジットを拡大した。日本経済のバブルと同様に花見の宴が何時までも続くと考えた人達が新種の手法(証券化)で宴を大きくしたのである。バブルの張本人のグリーンスパンは日本経済のバブルの失敗を教訓としているなどとデカイ口を叩いていたが、実際には何も知っていなかったのである。しかし、問題は日本人が考えている以上に住宅ローンに対する米国経済の影響は深刻であり、このままでは正に日本と同じ様にB/S不況に陥り、実体経済の回復にも影響が出てきそうだ。古い話だが、1920年代の大恐慌の引き金は米国フロリダのリゾートの大暴落から端を発して株式の暴落に繋がった経緯がある。これを機に不動産鑑定と言う手法と資格者が生まれたのだが、今回の米国の不動産バブルには何の効果も無かった様だ。グリーンスパンの大きな誤りは経験知から経済動向の判断としていた物価指標の選択に誤りがあったからであった。データは使う人の選択で大きく変わるし、データは飽くまでも過去の出来事であり、未来を予想するものではない。ましてグローバル経済となって生物多様化現象の坩堝では何が起きるか予測ることは至難の業である。尤も、一番の問題は時間の加速現象であるかもしれない。この米国の住宅問題は海の向こうの出来事として静観していられないので厄介だ。既に始まっている円高が良い例だ。また、日本人は米国が初めて広島の原爆記念日に米国大使が出席したと言って評価しているが、米国が意図は日本をイラン叩きの仲間に入れる踏み絵と言うことを理解しないと平和ボケで今後の展開で誤ってしまう。日本人は能天気なので世界から良い様に利用されてしまう。逆に、円高のメリットを最大限ニ利用する方法を考えて円高で国内のメーカーが居なくなるマイナスを補う他無いと思われるが、日本の金融機関は国債購入で前向きな融資を行なわないので話にならない。円高で動かなければ、世界不況が終わった時には日本は2流国家に成り下がっていることは断言できる。
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