つくば市の教育と街づくりに見る不動産の未来予想図

先日、親友のご母堂の葬儀で久し振りに茨城県の土浦市に行ったが、その葬儀でつくば市役所に勤務している友人と再開した。彼は市教育委員会に在籍し、現在は定年後の再雇用で教育委員会の外部団体で引き続き市の教育行政に関わっている。彼とは大分長い間、年賀状でしか互いの消息を確認してはいなかったので、市の教育委員会で教育行政の現場にいたことは定年退職の挨拶で初めて知った。葬儀後に久しぶりなので昼飯を一緒に食べようとなり、彼が気に入っている土浦市内の武家屋敷を改造したレストランに案内された。彼とは学生時代から妙に気が合ったのだが、少なくても最後にあった時から20年以上経っているにも拘わらず直ぐに打ち解けた。彼は上智大学で応援団に入り、団長を務めたことを思い出した。同時に、剣道と合気道も遣っていたのだが、今でも続けているのには驚いた。粘り強い性格と改めて感心したが、行政マンとして市長や議員に仕えるには適任だったかもしれないと思った次第だ。彼との話は教育の話になり、つくば市で小中一貫教育の学校を新設したことを聞いた。私も中高一貫教育は聞いていたが、小中一貫教育に関しては初めて聞いたので驚いた。将来的には幼稚園の併設も計画しているとの事であった。彼は良い機会だから新設の学校を見てくれと言われ、帰りは常磐線でなくつくばエクスプレスに変更を勧められた。彼の車に同乗して雑談をしながらつくば市に向かったのだが、私の仕事が不動産関係なので興味があると考えて小中一貫の学校新設が街の発展に寄与していることを話してくれた。確かに、昔から教育と不動産は切り離されないものとは理解していたが、少子化現象の施設の統廃合もあって生まれた小中一貫校がもたらした不動産効果を聞くに及び考えさせられた。勿論、つくば市でも過疎地はあり、過疎地の学校の否応なしの小中合体教育もあるのだが、つくば市街の小中一貫校の新設は後ろ向きではなく前向きの考え方であったので、多くの父兄が子供を入学させたくて住居を移転してきている。この移動が市内だけなら心太方式で意味がないのだが、つくば市以外からの転入も多いと聞いて改めて孟母三遷の故事を思い出した。不動産業界に身を置く者としては、教育と不動産の相関関係の未来予想図が浮かび、彼との久しぶりの再会に力を得た思いとなった。彼の話では、都内では品川区と三鷹市が学校の統廃合に尽力しているとのことだが、下町一体で大学を誘致して街づくりを進める計画が増加しているのも頷ける話だと思った。当社は現在、学校の統廃合の話ではないが、地方の私立学園から学校施設の件で話が来ており、検討を進めている最中だ。新しい教育がもたらす価値はICT関係ばかりでなく、不動産にも良い影響を与えると思われ、今後ともつくば市の教育現場を見続けたい。そう言えば、つくば市は全国に先駆けてICT教育に力を入れており、何度も教育に関わる優秀賞を獲得したことも自慢げに話した。学生時代から勉強熱心な友人であったが、昼食をご馳走になった上に、仕事にプラスになる情報も貰ったので感謝に堪えない。持つべきものは良き友だと改めて思った。
  • entry558ツイート
  • Google+

PageTop