新型コロナウィルスが変異種の出現で沈静の兆しが見えないが、変異種の中でもデルタ株は感染力が強く、然もワクチン接種者の罹患率が高いと言う情報に驚くと同時に、近代農業における害虫との戦いに見る自然の摂理と同様なのかと考える。近代農業における害虫との闘争は最初は害虫を全滅させる強力な農薬の開発で幕を開けたが、その結果、害虫は農薬に負けない強力な害虫となって人と対峙した。翻って、江戸時代の前近代の農業においては、経験の知恵で害虫に一部の棲み処を与えて共棲することで害虫の被害を防いだ様だ。勿論、大群のバッタの出現は害虫の絶滅対策から生まれたのか全く違う理由で発生したのかは浅学の身であるので分からないが、米国などで起きる蝉の異常発生などを見る限り人間とは関係ない自然の摂理かもしれない。しかし、此度の新型コロナウィルスは地球における人間の急激な増大とは無縁とは思われない。細菌やウィルスは近代になって公衆衛生の成立のよって克服されてきたが、細菌やウィルスは本来はローカルに影響するものであった。それが今から400年以上前の大航海時代によりグローバルに拡散した。コレラ菌、ペスト菌がインド、インフルエンザなどが中国などに人口の多いエリアで出現したのも自然の人口抑制とも言えなくもない。顕著なのは梅毒などは太平洋の島の風土病であったのがマゼランの世界一周の船旅で乗員がり患した結果グローバルの病気となった。島の風土病の理由は過剰な人口の増大を防ぐ意味があったと推定される。何れにしても、ローカルの風土病は人の行動により移動させられて世界中に拡散し、地球規模で人口抑制が働いた。それが現代では食糧生産が増大し、医療技術や医薬品の開発が進んだこともあり、地球の人口が冷戦後のグローバル経済によって急速に増大し、今や75億人になった。その結果、グローバル経済活動を一時的にも減少させる新型コロナウィルスの出現であり、自然の摂理が働いた結果と思わざるを得ない。何時の時点で人間は自分たちが地球の創造主の様に思いあがったのであろうか。尤も、進化続けて他の生物と異なり、地球の支配者となり得たのは自然の摂理とは違うのだろうか。新型ウィルスの被害は文化(含む宗教)の違いの公衆衛生の考え方で大分異なる様相になっているが、それもデルタ株の出現で被害の平等化の減少が起きつつある。大規模戦争がなくなって久しいが、その代わりに異常気象と感染症によって人の淘汰が行われていると言ったら顰蹙を買うのであろうか。アマゾンやテスラの創業者が宇宙に飛び出し、短い時間だが宇宙旅行を経験している。マイクソフトの創業者のビルゲイツは今回の感染症について予測していた。鋭い感性でベンチャー企業を成長させた人達は地球の未来に悲観的なのだろうか。今回の新型コロナで生活が一変するアフターコロナを指摘されていたが、アフターコロナよりウイズコロナの生活が長く続くと推定され、職場もファースト、セカンド、サードの三か所になり、新生活と言われる価値観が変わった社会の出現で感染症を克服すると思われる。
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