世論に多くの意見があるのは健全な民主主義の証かもしれないが、非常事態に遭遇しようとしている経済に対して財政出動に対する懸念を表明する者達は、不景気に関係ない官僚や政治家、そして金持ちだけだろう。中国の古典に確か似たような比喩があるのを思い出した。記憶では、洪水で道路の水溜りに残された魚が、通行人に川へ戻してくれる様に頼んだら、その通行人は今は急いでいるので、3日後の帰りに川に戻してあげると言った話である。イソップ童話の中国版と言った所である。昔からこの様な比喩があると言う事は人間は成長してないか、自分の問題しか理解できない人間の宿命と言える。先の話は蛇足となるが、3日後には魚は日干しになっていたと言う落ちが付いている。バブル経済崩壊後の対応が悪くて失わなくても良い国富が多く失われた。結果的に、景気回復に財政を小出しにしたため余計に赤字国債を増大させてしまった。諺に"二兎を追うもの一兎を得ず"があるのは承知の事実である。景気回復と財政健全化が両立しないことは自明である。それなのにそれを唱える輩は景気回復より財政健全化を優先していると言う事である。この意見を言えるのは生活に困らない官僚と2世・3世の政治家だけである。財政難なら、「政党助成金の廃止」、「公設秘書の廃止」、「公務員の給与を中小企業の社員の平均給料にダウン」を断行すべきである。少なくても、健全財政論を主張するなら自ら痛みを受けるべきである。来年は確実に30%の経済ダウンが予想され、未曾有の不景気が起きようとしている中で「政党助成金制度」に保護された政治家の党利党略の政争で貴重な時間を失っている。政治の浄化を得た代わりに、国民の声が聞こえなくなった政治家が多くなった。やはり中国の諺「水清ければ魚住まず」を思い出した。
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