建材メーカーの不正に思う

建材メーカの不正にまたかと思う。一連の事件は2000年に行われた建築基準法の改正(仕様規定から性能規定に変更)に端を発したものである。建材メーカーの不正は許せるものではないが、法律改正にも問題があったことも事実である。確かに仕様規定に比べ性能規定の方が建築には工夫出切る余地が広がりメリットは大きいが、問題は性能について誰がチェック出来るかであった。最近の世の中を見れば性善説を前提にした制度など不正の温床になることは予測できた筈である。特に、資本主義では騙されるのは馬鹿との言葉が一般化しているので、尚更である。小さな政府と規制緩和を全て同一次元で考えるのは間違っている事に気づくべきである。この様な事件は消費者に損失を与えるのは自明だが、実際の問題はこの種の事件が起きると逆に規制が強化され、業界の費用負担が大きくなる現象をもたらすことである。何のための規制緩和かと言いたくなるからである。責任を取らない現行の官僚制度の下で全ての法律や制度が決定されているシステムではチェックが機能しなくなっている現実に目を向ける必要がある。
  • entry100ツイート
  • Google+

PageTop