健常者用高級老人ホーム

昨日、郊外に造られた健常者用の高級老人ホームを内見してきた。残念ながら同ホームは本格的立ち上がりを前に会社の不祥事が発覚してオペレーションを断念したために現在は稼動していない。事業を立案した会社は、介護付き老人ホームなどを複数のスタイルで運営している会社なのだが、内見した高級老人ホームは飽くまで健常者用のものであり、お金持ち夫婦が最長15年程度過ごす館をコンセプトにしており、レストラン・クリニック施設・スポーツジム施設・趣味施設など建物の共用部分は約50%を占めている。ここに住むには多額な入居保証金が必要な上に夫婦で月額50万~60万円掛かるシステムであった様だ。私からすれば何故この場所なのかがイマイチ理解できなかったが、当初は社員もオーナーの指示が分からなかったと言う。会社を一代で大きくした様な人物の考え方は匹夫には理解できないのは当たり前だが、多分モデルは海外なのだろうと思われた。この種の老人ホームは2箇所事業化を進めたのだが、面白い事に別な場所の請負会社は社内のホテルチームが担当し、内見した方の請負会社は高級マンションチームが担当したと説明を受けた。確かに、高級老人ホームの建設にはホテルと高級マンションの知識が必要なのであろうが、私から言わせれば、それに比べてオペレーションは非常にアンバランスであり、日本の本当のお金持ちは入居しないと思われた。日本の何代も続くお金持ちが求めるものは見かけ上の豪華さとは違う事を知らなければこの様な事業は旨くゆかない。尤も、小泉政権で中流家庭に育った俄か成金が大分増加したので、その種のお金持ちは見た目の豪華さを好むかもしれないが。案内者の話では、オーナーはこの施設で儲けを考えてなく、会社の象徴としての存在感を求めていたとのことであったが、残念ながら子供の時から恵まれた環境で育った者しか分からない贅沢を多くの日本人は知りようもないので、見た目の豪華さだけでオペレーションが付いてゆかない事業計画の荒さが目立った。
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