老兵の来訪

当社が管理するビルに設備管理要員として17年間精勤した老兵が来訪した。老兵は御年75歳だが、未だ週3日働いている現役でもあった。老兵は工場勤務が長く、ビル管理要員としては色々な資格を持ち、且つ管理ビルを工場の設備点検の方法で管理したのが有効であったので、彼の点検方法のノウハウが当社の設備管理の規範の一つとなった。当社が建物管理業務に進出して規範とした従業員は2人いたが、彼がその一人であり、もう一人は大手建設会社の設備担当を退職して当社に再就職した者であった。彼等から多くの事を当社が学び、建物管理について当社独自のモデルを構築した。老兵は当社の建物管理に従事していた時に記録していたノートを持参してきて当時改善されられなかった事項に関して気になっていたとのことであった。正に、職人と呼ぶに相応しい仕事が髣髴とする出来事であった。然も、現在週3日入っている現場が照明をLEDに変え、電気料金が3分の1近くになった情報をもたらしてくれた。当社の現場を離れて8年以上経つのに来訪して色々と助言してくれるのには頭が下がる思いである。彼を老兵と書いたのは、当社の建物管理業務に関しては現場は戦争の最前線であり、現場要員は兵士であるという意識で行なったからである。戦争現場であるから部品なども現場にある物を利用して応急措置をし、その後に部品供給を受けて改善するのは当たり前であった。管理する建物が一時的にも使えないと言う状況は避けることが至上命令であった。正に現場は戦争の最前線に相応しい気持ちでおこなうことを要求した。それに答えてくれたのが彼の様な得がたい老兵であった。
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