ゴルフと性格

私はゴルフを始めて今年で29年になるが、レッスンプロの指導を受けずに独学で学んだために最近は下手になるばかりである。世の中の事は全て一緒だが最初が肝心であることを情けない事にこの年で学んだ。然し、ゴルフは下手であるが、長年プレイしてきたので、徐々にではあるがゴルフの何たるかは幾らか分かって来た様な気がする。不思議な物で、上手くなろうとしてきた時には見えなかった事が、下手になって分かってきたとは皮肉だ。先週の連休の最後にゴルフコンペがあり参加した。コンペは2組だが、個人戦ではなく組み対抗戦とドラコンとニアピンと言う遣り方であった。このゴルフコンペを主催するのは紅一点の女性参加者であり、彼女のファンの男達が参加している。私は年齢的に上位から2番で長老扱いされている。私の組は老舗の会社の役員、コンサルタント会社の社員、開業医の構成であり、主催者の彼女とのゴルフでは何時も大叩きをしていたためか、4人の中では最下位に位置づけられていた。老舗会社の役員とは友達の輪を通して知り合い10年以上のお付き合いをしている。今回の暑い最中のゴルフではゴルフと性格について改めて気がつかされた。老舗の役員さんとは何回か一緒にプレイしているが、今回初めて彼が切れた場面に出合って驚いた。彼は東大の現役時代に司法試験に合格した程の英才であり、キャリア官僚を経て奥さんの一族が経営している会社で役員に就任し世界中を飛び回っている。その彼がバンカーショットのミスで切れたのである。尤も、その後は直ぐに冷静になったが、ゴルフと言うスポーツは本当に人の性格を映し出すスポーツと言う事が理解できる。彼は意外と短気であったのである。若い頃にゴルフを始めた時に良く言われた事は、ゴルフが上手いと取引先の金融機関から信用されないと言われたものである。然し、今ではゴルフが下手だと逆に経営判断の能力が問われる時代となり隔世の感がある。確かに、ゴルフが上手い人は努力家の人だから一部の人を除いて仕事も頑張って成功した人が多い。先の老舗の役員は負けず嫌いだから東大にも入り、司法試験も大学在学中に合格したと思われる。それがゴルフと言うスポーツに出合って初めて思うようにならないので切れたと思料する。翻って、私の人生は逆境の連続なのでゴルフで思うようにならない事などは想定内なので今では切れたりしないが、他人から見るとゴルフで大叩きしても常に冷静なので驚かれる様だ。なお、4人の中でコンサルタントの会社に勤務している若い方は相当飛ばすので余裕があったこともあるが、人を観察する習慣が身についていると思われた。良く他人のスイングやプレイを観察してひと言励ましの言葉を掛けていた。コンサルタントと言う仕事が観察眼を必要とし、常に客観的に人見る習慣を養ってるのではないかと思われた。矢張り若い方で1年前に開業医となった医者は後半のハーフプレイで突然OBの連発で崩れ、数ホールは酷いゴルフとなった。それでも開業医になって苦労しているためか切れる事はなく黙々とプレイし、必死で自分を抑えている様子が見て取れた。この様子を見ていたコンサルタントは医者の方が自分と必死になって戦っているので余計なアドバイスは不要(聞き入れない)と独り言をいった。ちなみに、今回のコンペは他の組に図抜けて上手い方が一人いた事と、医者の彼が後半のプレイで大叩きしたために我々の組は負けた。なお、老舗の役員の方は最初のハーフで切れたが、後半は冷静な彼に戻り、然もチャレンジャー精神も発揮して難関のホールを克服し、個人では2位に入った。流石であった。私はと言えば、ドライバーの距離が落ちたためセカンドを苦労し拾いのゴルフに終始したものの、パターが入らず8人中5位の成績であった。尤も、アプローチで久し振りにヒントを掴んだ(?)ので次回に期待したい。
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