自動車暴走事故の懸念

最近自動車の暴走による痛ましい事故が起きている。最近も高齢者の運転する自家用車が池袋で暴走し、母子2人が亡くなり、8人が負傷した。自動車事故で家族を亡くした遺族は不条理に際して持って行き場がなく、慰めの言葉もない。暴走事故に懸念とした理由は、高齢者の運転ミスとして報道されることに違和感を覚えたからだ。現代の車は制御装置に電子機器が多く用いられているが、電子機器は電磁波や暑さに弱いことが欠点でもある。勿論、自動車メーカーは当然に理解している事なので、その対策は十分に取られていると思われるが、過去の出来事が私の脳裏から離れず、最近の車の自動運転の良さばかりが報道されることには違和感がある。その出来事とは、1件目は父の自家用車の故障に関係するものである。父が帰郷し、地元のゴルフ場でプレーした後に事件が起きた。帰りの車の運転中にアクセルが勝手に動いてスピードが上がり始めた。この為、父はブレーキを踏み制動したが、ブレーキを緩めるとスピードが高まるので、ブレーキを踏む行為を繰り返し、更に胴体を障害物に擦らせてスピードを落として漸く自宅に帰りついた。父は未だ車が日常的でない時代から乗っており、運転技術にも卓越し、然も田舎であったので機転を聞かして帰宅できたが、運転に未熟で都会での出来事ならば暴走していた可能性も否定できないものであった。2件目は私自身の体験であった。高速道路から降りて側道を走り、主要道路に位置する丁字路で信号待ちし、青信号で左折した時に事件は起きた。主要道路に入った途端にエンジンが空回りして車が動かなくなった。ギアを見るとニュートラルに入っていた。この為、後続車が来ていなかったので、落ち着いてギアを入れなおしたら動き出した。オートマチックの車なので、通常はブレーキとアクセルだけの走行であり、事故の時も赤信号時にブレーキを踏んで青信号でアクセルを踏んだ。丁字路を左折して正面を向いた時にエンジンの空回りが起きた。不安を持ちながら30分程走ってその後は何事もなく無事に帰宅できた。ギアがニュートラルになった理由が不明だったので、帰宅後に自動車販売会社に連絡し、点検に持って行ったのだが、整備担当の連絡で異常が記録されていたことが分かった。しかし、異常の原因は不明との回答であった。上記の2例は機械式の制御時代には想定されない故障であったと思われ、電子制御になって起きた故障と思われる。昨年などは異常な猛暑であり、屋外で屋根がない駐車場の場合には自動車の制御機器にも相当負荷がかかったと推定される。センサーやカメラやAIを搭載した自動車の自動試験運転が世界中で行われているが、世の中は全てトレードオフなので、最近の暴走事故を高齢者による事故としか捉えない風潮は危険と思わざるを得ない。池袋で事故を起した高齢者は通産省の工業技術院の元役人であったそうなので、技術系の人と思われ、アクセルが聞かなくなったと言う発言は高齢者と一言で片づけるには無理があると思われる。SNSなどでは元上級役人なので逮捕されないのは可笑しいと発信しているが、逮捕しない理由は簡単ではないかもしれない。今後、自動運転に向けて電子制御機器に関しては電磁波に対する防御の容器、熱に対しては冷却装置の設置などの対応が進められるかもしれない。何れにしても、自動運転装置は企業秘密でありブラックボックスとなり、事故が起きた時には隠される可能性が高いと思われる。未来が全て過去より良くなると言うのは幻想であり、社会は全てトレードオフなのを心すべきだ。

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