佐高信氏と朝堂院大覚氏の二人の対話を書いた本で、信ぴょう性に関しては分からないが、朝堂院大覚氏に関しては、過去に一度会ったことがある。勿論、朝堂院大覚と名乗る前のナミレイと言う会社の会長の松浦良佑と言う名前の時で40年以上前になる。ナミレイは海外にも事業展開する冷蔵冷凍設備会社だったが、会った時の印象は裏社会の人物と見紛う雰囲気と取り巻きがいたことを記憶している。当時は専門誌の記者の時であり、中堅商社のプラント輸出の課長から中南米のニカラグア国の水力発電プラントの商談を聞いたときに当時の革命政府と繋がっている日本人、ナミレイの松浦良佑氏の名前を聞いた。その課長から松浦氏はどの様な人物か分かれば教えてほしいと依頼され、松浦氏に取材のアポを取った。私は戦後の日本に海外の革命政府と繋がり、プラント商談に影響がある人物に驚きと興味を持ったのは確かだ。しかし、当時の印象は余りよくなく、その数年後に高砂熱学工業の恐喝事件で逮捕された記事を見た位で、松浦氏に関しては忘却の彼方であった。その後数十年を経て偶然だが、知人の医師が投資詐欺にあい、その件で朝堂院を名乗る人物から経営するクリニックに電話があり、医師が驚いて私に電話が掛かってきたので調べた結果、朝堂院が松浦氏であることが分かった。実際には詐欺師が朝堂院を騙っただけのことで、朝堂院と名乗る人物から医師にその後に電話が来ることはなかった。表題の本を読んでニカラグアの件のことが書かれており、その繋がりは中東のパレスチナのアラファタ議長とのことで、ナミレイは中東に冷蔵設備のプラントを建設していたこともあり、彼が本の中で言ってることは真実もあると思った次第だ。佐高氏から色々な事件や裏社会の人物との交際を聞かれているが、知らないことは知らないと答えているので、本の中味は真実に近いものも大分あると推測した次第だ。裏社会の出来事は当事者でないと分からないし、事件が表面化しても真実に関してはメディアが報道したことを鵜呑みにする以外ないのが実情だ。人は地位や状況で変節するとの朝堂院の言葉には重みがある。新型コロナ危機の最中で、今後日本が進むべき道を委ねられる政治家がいないのは本当の日本の危機と思われる。二人の対談で日本の本当の危機はこれから来るとの予言を肝に銘じることが必要と思えた次第だ。
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