M・グリーンのアメリカのアジア戦略史を読んで

米国の建国以来240年のアジアに対する戦略について書かれた歴史を読んで目から鱗が落ちたようだ。江戸時代のペリー来航以降の米国のアジア戦略が分かり、特に日露戦争のおける米国のローズベルト大統領が巷間で言われている様な小村寿太郎とハーバート大学の同窓の親近感から日本を支援した話とは違った事が分かり、新たな視点を得ることになった。日本は国際政治に情緒的な友情などの観点から見るが、米国は冷徹な国益から判断していることが良く分かる。レーガンと中曽根、小泉とブッシュ更にトランプと安倍の個人的な親しさから日本は国際政治に関して説明されることが多いが、その親しさの背景には米国の国益が厳然としてあると言う事実を指摘した日本人は皆無だ。米国の大統領としてローズベルトが二人おり、親戚なので理解することがややこしいが、第二次世界大戦時のローズベルト大統領が日本の千島列島をソ連に売り渡した事実は私も良く知らなかった。勿論、戦争終結前に死んだので共産国のソ連がその後の冷戦の主体になる事を想定できなかったのだろうが、それ以上に日本に対する嫌悪感が大きかった様だ。もっとも、ローズベルト大統領が日本との戦争を望んで仕掛けたという説はアジア戦略史を読む限り必ずしも当たっていなく、米国と日本の無理解が戦争に到ったと見なされている。アジア太平洋の覇権を争った日本と米国は現在の中国と米国に置き換えられる。しかし、米国国内の世論が過去の様な民主主義を守ることで一致していない現代において権威主義国との争いが米国民の支持が得られるかは不明だが、少なくとも米中対立が続く限り日本は米国の貴重な同盟国の存在ではあり続けると思われる。問題はヒットラーの様な民族の保護を理由に他国に侵略しているロシアの存在や核武装した北朝鮮との関係が今後の北東アジアに何をもたらすかだと思われる。過去の植民地時代と異なり、現代はグローバル経済であるために国際政治は複雑になっている。中国とロシアの脅威が増しているので日本が軍備を強化するのは当然であり、戦後の平和の時代が終焉した事だけは意識を持つ必要がある。円安は一時的にはエネルギー価格や農産物の輸入で物価高などを招くが、権威主義国と民主主義国の争いの長期化の中では生産工場が国内に戻ることや食糧の自給率のアップになることは予想される。少子化はグローバル経済で仕事を得るのは厳しくなった社会が背景にあるので、生産工場が国内に戻れば少子化が止まり反転することも期待できる。インドネシアが仲間に加わるかは分からないが、少なくても韓国、台湾、フィリピンとの同盟を日本は推進し、大陸国家の太平洋への進出を止める勢力になるべきと思料する。遠いかもしれないが英国や欧州の国家とも連携を深めて民主主義国家を守る事は重要だ。米国に依存しすぎると裏切られるリスクもある。要注意だ。米国の240年のアジア戦略史はそれを語ってる。

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