2大政党政治、大連立が必要だとと言った言葉がマスコミ人からも良く出る。良く考えると、戦前の日本は2大政党が政権を奪い合っていたのを思い出した。また、マスコミ人が大連立は世界の流れと言っているのを聞いて大政翼賛会と言う政党の結集した歴史を忘れたのかと思う。勿論、戦前と現在は政治システムが違うと言うのだろうが、問題は日本人の頭の中味が大きく変わったのかと言うことと、歴史の反省なくして前進は出来ないと言う現実である。自民党の単独政権が長かったので政治の腐敗が起きたこと、及び適度な政権の交代がないと民意を反映した政治が行われないなどの理由によって2大政党政治を目指し、選挙制度を小選挙区制度に変更した事は記憶に新しい。しかし、戦前も小選挙区制であったが、その弊害も大きかったことに対しての検証が抜けていたように思われてならない。中選挙区制の良さは、地元利益中心の政治家でなくても当選する可能性があり、その事が国際社会の中で日本の姿などの大きなテーマで選挙を戦えた政治家を育んだ。日本の高度経済成長は戦後の多党連立の混乱期から単独政権になって開始したことを忘れてはならない。多くの政治家とマスコミ人は55年体制はアンシャンレジームと言って簡単に葬り去ったのだが、世界で最も安定していた日本の政治体制を評価し、恐れていたのは日本と競合していた国々であった。工業社会から知的財貨社会に変化してきた事に対する対応の緩慢さを槍玉に挙げて日本社会に最適なシステムを自ら壊してしまった愚を犯した。小選挙区制度は目先しか考えない政治家達を生み出し、マスコミは混乱した政治を憂いて大連立の結成を促している。大連立よりは55年体制の自民党単独政権の方が、野党の批判勢力がいて社会のセーフガードが有効に働いた筈である。歴史を学んでいれば今日のような愚は犯さず、55年体制を刷新する方法が幾らでもあったと思われる。米国の改革が何のために行われてきたかは為替の変動相場制に移行せざる得なかった歴史から多くのことを学べた筈である。企業人となった学生時代に優秀な友人達も歴史となると皆お粗末くらいの認識しかないのが今の日本人である。
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