小選挙区制度に一部比例制度を導入したので英国の様な2大政党にはならない日本

先見の明があると言っておこうかと思ったが、小選挙区制度は公明党の賛成がなければ成立しなかったのでやむを得ずに導入した小選挙区一部比例制度は英国が日本に学ぶことになりそうだ。英国は長年の保守党と労働党の2大政党が政権を担ってきたが、今回の選挙で両党とも単独過半数が取れずに自由党と保守党の連立政権となった。この連立協定では自由党が得票率が反映されるように小選挙区制度に比例制度の導入を保守党に求めたのである。確かに、英国の小選挙区制度は労働党や保守党に有利に設定されているので必ずしも得票率と議員数は比例しなかった。今回の選挙では自由党は2大政党に迫る得票率ながら両党の半数以下の議員数しか当選できなかったのである。良く考えると国民の意思を反映させる政党政治とは小選挙区制度ではなく、大選挙区制度と考えられる。尤も、小選挙区制度は政権交代が起き易いので各国とも導入しているのであろうが、時代の変化が激しく、政治が国民の要請に応えられなくなった今日では、少数政党にキャスティングボードを握られる可能性が高くても得票率が反映される選挙制度に改定する事が必要と考えられる。今から思えば、日本の中選挙区は情報化の時代には十分機能した制度であり、特に政治家個人を選べた制度であった。小選挙区制度とは、党が個人に対して絶対的となり、個人を選んでも意味がなくなってしまった感がある。少なくても中選挙区時代には選挙民に媚びない個性的な政治家が存在したが、小選挙区制度は個人を選ぶより党を選ぶ選挙であるので、政治家の発言まで国民目線でなく党目線になってしまった感がある。日本の場合は英国と違って小選挙区導入時に批判を浴びた一部比例制度の導入のお陰で得票率と懸離れた選挙結果でない可能性は残されている。特に、参議院選挙は大選挙区と比例制度の混合であるので、国民の意志が反映されやすい。今夏の選挙では衆議院選挙で勝ちすぎた民主党に対する反動が起き、民主党は負けはしないが勝てもしない結果となり、他党との連立政権が続く事を期待したい。

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