かぼちゃの馬車のオーナーの代理人弁護士が審査資料改竄でスルガ銀行を提訴した記事が掲載された。事業会社の破たんで購入者達は購入ローンを支払えなくなったので審査資料改竄をネタにスルガ銀行と減免交渉で行う算段かと思われるが、資金もないのに購入ローン申請を行った強欲な無責任投資家には同情しない。審査資料改竄と言っても内部規制なので、改竄で審査が通ったこと自体の責任は倫理上の問題以外には銀行に責任はないと思われる。そう言えば、バブル経済崩壊後に「金融機関の貸さない親切」の言葉が誌上に踊ったが、結果論の議論なので意味がない。投資にリスクは当然で、低利回り物件の中で高利回り物件を謳っていたら疑ってかかるのは常識だ。女性専用と言うだけで立地も考えないで購入したツケが回ってきただけだ。尤も、安倍内閣が景気対策にインフレをターゲットにした事で、少子高齢化社会にも拘わらずに不動産価値が上昇するとの幻想を抱かせたのは否めないので本当に罪作りな政権だ。スルガ銀行も昨今の投資が5年目安に動いていることを念頭に資金力のない借り手に対して融資したと推定できるが、5年後の転売前に事業運営会社が破たんするとは予想もしなかったと思われる。先に書いた内容で、「かぼちゃの馬車」は相続対策ではなく、投資案件と書いたが、この分析を訂正したい。理由は、「かぼちゃの馬車」のシャエハウスは立地が良くなく、売買価格と相続評価額に対して乖離している商品の様だからだ。以前に高層マンションで指摘した通り、売買金額と相続税評価額が大きく異なる商品は相続税対策にはなるが、真の価値を積算した場合に将来的な修繕費等の面や貸した場合の賃料面で売買金額と比較して低くなる傾向が顕著だ。国税庁の相続税強化が合法的な不動産詐欺に利用されている面がある。その意味では、「かぼちゃの馬車」は相続対策にも有効で、然もサブリースの高利回りの商品なので購入者が多かったのだろう。この様に饒舌に的を絞った書き方が出来ないのが私の特徴なのでご容赦願うが、本来不動産投資は長期的な所有で利益を生むにも拘らず、税制的に長期所有となる5年間の短期売買と相続対策を優先する考え方がリスクを軽視していることは間違いない。金融機関もリスクを取らなければ稼げない時代だが、事業会社の経営者の質やビジネスモデルを見分ける力がないのでは話にならない。情報化の時代なので過去と比べてインチキには騙されない筈だが、新しい時代を迎えたので過去の経験は役に立たないと言った風潮が今回の事件の背景にはあると思われる。詐欺事件も先祖がえりしているのも頷ける。くわばらくわばら。
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