ニセモノが横行する時代

人でも物でもニセモノが社会を跳梁跋扈している。ニセモノが横行した背景には大学のビジネススクールのMBA資格者に由来するという説もある。その理由の一つには、ビジネススクールのカリキュラムが「科学的・学術的な業務モデル」で組まれており、多くのMBA出身者が会社の重要な地位に付く様になってより実務的・専門的な事柄が軽視された結果であると言われている。しかし、この現象はここ十数年の出来事であり、私の知る限りは年配者のMBA資格者は実務的・専門的な事柄を重視していた。昨今のニセモノの横行に関してはデータ重視の統計的な手法が重要な地位を占めてきた以降と考えると辻褄が合うことが分かる。この背景にはパソコンの性能向上によるデータ分析手法が金融資本主義の効率経営と相俟って実務家・専門家軽視となる若いMBA資格者の出現があったと考えられる。ニセモノの出現はMBA資格者を始めとしてあらゆる専門職に出現し、その結果社会にニセモノが横行し、人々は"ホンモノ"を探すようになった。しかし、始末が悪いのは物なら見分けるのに苦労はしないが、人間のニセモノは容易に見分ける事が出来ないので困ることになる。勿論、当の本人はニセモノと思っていないかもしれないので更に厄介である。尤も、物の中には"ホンモノ"の"ニセモノ"もあることに気が付いている人もいる。これが何かと言うと、ブランド品の製作を新興国などに発注した結果、新興国の更に下請け会社が"ホンモノ"を"ニセモノ"として闇で売るのである。グローバル経済が生んだマイナス面であろう。何れにしても、何がホンモノで何がニセモノかを見分けるのは簡単ではなく、プレゼンテーションが旨い人や会社に仕事を任せている間はホンモノよりニセモノが横行する時代と思われる。

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