手嶋龍一著「葡萄酒か、さもなくば銃弾を」を読んで

自宅の近くの書店で偶然に手にした本だが、最近になく感銘を受けた。日本にもこの様な本を書ける人物がいたのかと思う。タイトルだけでは、一瞥して通り過ぎるだけであったが、不思議な題名のため手にしたところ、内容は世界の政治家や官僚に対する人物評であった。尤も、購入したが、直ぐには読まずに積んで置いて暫し忘れていた。それが、当面読みたい本を読み終えたので、何か買ってなかったと思って探して見つかったのがこの本であった。通勤の行き帰りに読むので時間が掛かったが、読後は現在の混迷した世相を読み解くには非常に参考になったと思う。その中の最終ページには、今の日本が「愚者の楽園」と化した姿を憂いて世を去った人物の事にも触れている。この中には今度、新総理となった「麻生太郎」の人物にもページを割いている。これには麻生に対してマスコミが報道している姿とは異なる面が書かれている。麻生家は明治維新後の家系としては群を抜く名門である。麻生太郎と言う人物について、麻生グループを率いた経営者として世間は余り評価していないが、斜陽の石炭からセメント産業にシフトし、バブル経済崩壊後には逸早くグローバル経済に対して布石を打っているのである。勿論、現経営者は弟だが、兄と言う存在から麻生太郎の意向を無視しては出来なかった筈である。この一つとっても、麻生太郎と言う人物は非凡と思える。政治家という資質も、祖父の吉田茂、更に先祖が大久保利通、牧野伸顕であるので充分と言える。世間は、庶民の味方は貧しい家庭から出世した人物と言うが、私は逆であると考える。下から這い上がってきた者には他者に対する優しさはない。逆に、育ちが良い人こそ他人に対して優しいのである。お金に対してもクリーンである。小沢一郎と言う人物の危険さを私は知っているので、麻生太郎に頑張って貰いたいと思う。

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