ひとりの村長の強い思いで実現した安全!

東北関東大地震による津波を防いだ15mの防潮堤を造っていた村が存在したとは驚いた。その村とは岩手県譜代村である。明治時代の大津波の言い伝えが今は故人となった「和村幸得」村長の脳裏から離れず15mの防潮堤の実現に繋がったとのことである。建設当時は15mの防潮堤に対して反対もあったらしいが、反対を押し切って造った防潮堤が今回の大津波に有効に働き、多くの人命を助けた。県内でも10mの防潮堤を造っていた町はあったそうだが、今回の大津波には効果がなかったので、もし故和村村長が反対の意見を聞いて妥協していたら、他所と同様な被害を出していたと思われる。ひとりの政治家の執念が多くの村民の命を助けたことを考えると政治の本質が見えてくる。政治と現場を考えると、首長や議員の位が上がるほど現場と乖離し大衆迎合的な政治家が多くなる。当選するために信念を曲げる様な人は政治家に向かないが、今の社会では信念を持った政治家など皆無であり、選挙民のために働く思いなど微塵も感じられない。今回の大地震では多くの事を学べる機会であるので、「良い政治とは何か」、「良い社会とは何か」を考える必要があると思われる。日本は地震、台風、津波、火山など天災に見舞われる事が多いので、早く忘れる事で災害に対する痛みなどから回復してきたが、現代社会は災害に対し事前に備える技術が飛躍的に向上しているので、問題は政治が機能しているかどうかと思われる。過去の教訓を生かして来なかった日本人の台風一過的な民族性ではグローバル社会では生き残れない。
  • entry405ツイート
  • Google+

PageTop